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​Love and Respect

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とにかく美しい。そして、とにかく好き。

好きで、好きで、大好きで!年齢によって好みの柄はあったのですが、たどりついたのはやはりフラッグシップカラーである「no.100」。

モレッティと言えば、これ。

初めてモレッティを手にしたのは大学生の時。思えば贅沢な旅だったな、と思う。時間に追われず、歩いて歩いて、時に迷いながらヴェネチアを歩けたのは学生の特権だったのかも。仕事で行く時はやはり気持ちも焦るし、時間に追われてしまうから。

それでも、パパ・モレッティに会いたくて、仕事を頑張ってきた気がする。

パパ・モレッティは寡黙であまり笑わない。表情ですべてを語ろうとする、ちょっとめずらしいタイプのイタリアの方。

ercole moretti のすべてを知るパパ・モレッティと静かな工房内の一室で、じっくりと商品を選ぶ時間はいつも至福の時。

大好きゆえに、丁寧に、じっくりと選んできたものばかりです。

​お手元で、食器として、インテリアとして、長く長く大切にしていただけたら本当に嬉しいです。

​少し古い写真ですが、工房内を撮影させていただいた時のもので製造工程などをご案内します。(2017年2月撮影)

ミルフィオリは「千の花」の意味。名前そのままに美しく咲くガラスの花々。

遡ること110年。1911年にヴェネチア・ムラノ島で3人の兄弟が始めた「ercole moretti」。

千の花を意味するミルフィオリ技術をさらに洗練、完成させたのはエルコレ・モレッティ社の技術革新によるものと言えます。

他社と一線を画す技術の高さ、洗練された配色、そして創業者から今に至るまで引き継がれる勤勉な姿と時代をうまく取り込むデザインなど、すべてフィットして、これらの美しいミルフィオリ製品が仕上がっています。

全工程は職人の手作業によるものです。創業当初はアクセサリーに特化していましたが、今では国際的に活躍するデザイナーとのコラボレーションによって、インテリアに美しさと洗練を添える多彩な製品を、クラシックなものからモダンなものなで幅広く展開しています。

 

製造工程はすべて職人の手作業なのですが、一つ一つの作業はとてもシンプルに見えるのです。

酸化物の配合を決めて「色」を作り出し、色ごとの「色ガラス棒」を作ります。

門外不出の色もあり、その製造配合は超極秘です。

熔けたガラスを竿と呼ばれるステンレス製の長い棒の先に巻き取り、職人お二人がかりで息を合わせ、互いにリズムを合わせて両方向に引き合いながら、ガラスをロープのように長く長く、細く細くしていきます。水飴がどろーんと溶けて垂れる感じを想像してください。細く細く伸ばされたガラスが冷えて、ガラス棒が仕上がっていきます。

ミルフィオリのパーツは基本的にどれもとても小さいもので、大きなもので約2センチ、小さなものでは3ミリ程度です。パーツの仕上がりがそのサイズですから、ベースとなる色ガラス棒はもっともっと細くなければなりません。

 

ercole morettiに特徴的な星や花、そしてサインとしての「M」の文字、同心円状に重なり広がる多色の丸も、すべて色ごとにガラスの熔解と重ねての成型を繰り返していくので、色の数だけ、形の数だけ、熔かしたガラスを巻き取り、型に入れて成型して・・・という作業が繰り返されているのです。

複数の色ガラスを重ねていく場合はもちろんですが、単色のガラスで成型していく間の作業中でもガラスは空気に触れることでどんどん温度が下がります。もちろん手に触れることもできないほど熱いものであっても、固まってしまって作業できなくなると、グローリーホールと呼ばれる窯に入れて温度を再び上げる必要があります。この熱上げ作業は何度も何度も繰り返す必要があり、色数が増えれば作業の数は増え、また色ごとに異なる熔着のタイミングを目で確認しながら進めていくのは熟練の技術と経験が必要です。

色や柄を組み合わせて成型されたガラス棒を、ちょうど千歳飴の要領で小さくカットしたものをmurrine(ムリーニ)と呼びます。

このムリーニをアクセサリーやお皿、ボウルなどの型に、すべて手作業で、細心の注意を払って並べ、さらのモレッティ社の証アルファベットの「M」を必ずはめ込みます。

約800度の窯の中で、小さな小さなムリーニは熔けて隣同士が繋ぎあわさり、一つの形へと焼き上がっていくのです。丸が大きく崩れることもなく仕上がっていく様は驚きを通り越して不思議な気がしてしまいます。(だって・・・熔けたガラスを人が引っ張りあって棒状にする時点で歪まないの?どこを切って金太郎飴みたいに同じ柄で出てくるんだよ・・・釜の中で再び熔けても形が崩れないんだよ・・・それって・・・それって・・・すごいもの!!)

​焼き上がったアクセサリー、お皿、ボウルなどはそれぞれに研磨作業、型取り作業などを経て、洗練の極みへとたどり着きます。

作業は確かに繰り返しなのです。けれど、それらの作業を、色ごとに異なる適正なタイミングで熔着させていく繊細なジャッジは全身を使って経験の中で培われていくものなのです。

超繊細な作業を繰り返し、職人の方々の手を通して生まれる2つと同じもののない深遠なガラス製品に「M」のミルフィオリがはめこまれ、ため息が出るほどのヴェネチアン・モレッティ・ミルフィオリが出来上がっていくのです。

眺めているだけではもったいない。手に触れるとしっとりとするガラスは珍しいと思いませんか?

食器としては難しい絵柄かもしれませんが、Platter(飾り用に下にしく皿)として、テーブルの中央にお菓子を入れて、コーヒータイムにお砂糖やミルクを入れてちょっと置いてあるだけで・・・華やかな気分をくれる深い深い色彩の妙をぜひ味わってください。

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